2010年8月21日土曜日

Scalaを単体で実行可能なJarファイルにまとめる

【注】この記事の記述にはまちがいがありました。紹介されている参考記事の記述のうち、不要だったのは、マニフェストファイルでのクラスパス(Class-Path)の記述であって、scala-library.jarの展開は必須でした。

Scalaソースコードを、Javaクラスファイルにコンパイルしたあと、Scalaがインストールされていない環境でも(Java実行環境があれば)単体で実行可能なJarファイルにまとめる手順について。

jarコマンドとか、classpathとかそのへんすごい苦手なので、備忘録。
おおむね下記サイトに掲載されている通りでも問題ない。

■ScalaをJar化してみるComments - ゲーム作ろうよ
http://d.hatena.ne.jp/mitsu_chie/20100719/1279552867

だけど、要らない手順も含まれていたので、整理しておく。

1. Scalaソースコードを作成

ともかくmainメソッドを持つobject(シングルトンクラス)があればよいよね。
例えば、

HelloWorld.scala
object HelloWorld {
    def main (args: Array[String]): Unit = println("Hello world!")
}
とか。


2. scalacコマンドでJavaクラスファイルに変換

コマンドラインで、作成したScalaソースコード・ファイルを指定して
scalac HelloWorld.scala
この段階で、
scala HelloWorld
とコマンドを打てば、「Hello world!」とか表示されるはず。

3. scala-library.jarを用意する

scala-library.jarは、Scalaのインストール・ディレクトリに含まれる。
jarコマンドに長々とパスを指定したりしたくないので、scala-library.jarをコピーして、
Scalaソースコードと同じディレクトリにコピーする。


コマンドプロンプトで、
jar xf scala-library.jar
を実行して、scala-library.jarを展開する。結果的にフォルダ内にはscalaフォルダが新たに作られる。



4. マニフェスト・ファイルを作成

作成する実行可能Jarファイルの、実行時の設定を指定するため、マニフェスト・ファイルを用意する。

マニフェスト・ファイルでは、mainメソッドを持つクラス名(Scalaコード的にはobjectとして作ったもの)の名称と、Scalaコードから生成したクラスファイルを実行するために必要な、Scala APIのクラスを探索するクラスパスを指定する。

例えば、
manifest.mf
Manifest-Version: 1.0
Main-Class: HelloWorld
Class-Path: scala-library.jar
とか。
このファイルも便宜上、Scalaソースコードと同じディレクトリに 保存。

5. jarコマンドでアーカイブ

jarコマンドのオプションとして、

c(Jarファイルをつくるよ)
f(作成するJarファイル名を指定するよ)
m(マニフェスト・ファイルもあるよ)

を与え、
さらに、作成するJarファイルの名前と、作成したマニフェスト・ファイル名を指定。
最後に、新たにJarファイルとしてまとめることになるJavaクラスファイルやJarファイルを指定。

例えば、
jar cfm HelloWorld.jar manifest.mf *.class scala-library.jar
となる。
これで、このディレクトリ内のすべてのJavaクラスファイルと、scala-library.jarがまとめられてJarファイルHelloWorld.jarになる。
java -jar HelloWorld.jar
などとコマンドを打てば、「Hello world!」とか表示される。
Scalaコード内で呼び出しているScala APIによっては、jarコマンド末尾のアーカイブ化対象クラスファイルやJarファイルの一覧がながーくなっていくものと思われる。

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