2008年11月28日金曜日

「企業におけるIEブラウザの地位にゆるぎなし」?

「企業におけるIEブラウザの地位にゆるぎなし」--アナリストら見解 - builder by ZDNet Japan
「企業の主要な要求は、ブラウザを中央管理および制御することである。そのため、多くの組織にとってIEを別のブラウザに置き換えるのは非現実的な選択肢となっている」と同氏は述べた。

「『圧倒的な独占体制』を打破するのは難しい」というのはほとんど言及そのものが冗長であるし(独占体制を崩そうとしている側に独占体制の盤石さを説いたところで意味はない),「FirefoxやChromeで提供される新機能が『IEを凌ぐ十分な利点』を示すことができれば、両者のうちのいずれかが台頭してくることになるかもし れないが、Microsoftは、これらの競合相手に差を縮めるための十分な時間を与えることなく、IEで類似の機能をリリースするだろう」というのはあまり現実味のない予測である(MicrosoftはあきらかにIEの機能の改良をあまり重視していない).

その上でしかし上に引用した部分はなるほどである.

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2008年11月24日月曜日

道新2008年10月2日──ビザなし交流ロシア団長「四島 アイヌ民族の国に」

北海道新聞,2008年10月2日,日刊
ビザなし交流 ロシア団長 「四島 アイヌ民族の国に」 領土問題解決へ持論


北方領土ビザなし交流のロシア側訪問団団長,ゲオルギー・クリンスキー氏が,10月1日,札幌でひらかれた元島民との対話集会で,「妥協案として…提案した」とのこと.

「領土問題をめぐって,ロシア側かえあアイヌ民族の存在を重視する発言が出るのは異例」(以上記事本文から引用)という.

団長談「アイヌ民族は日ロ両国の間で大変な苦労を強いられた」,「日ロが協力してアイヌ民族の国をつくり,復権させることで,領土問題の妥協点を見いだせる」,また「ロシア人と日本人の居住についてはアイヌ民族が決めればいい」と.

このとき「日本側」がどのような反応を示したのか,記事はまったく伝えていない.
また同団長の発言はマスメディアで取り上げられたのだろうか?(夏以来,テレビ離れが進んでいるのでわからない.)

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2008年11月23日日曜日

道新2008年11月18・19日──サッポロピリカコタンで伝統家屋の火災

北海道新聞,2008年11月18日(火),夕刊,13面
「ポンチセ」から出火 札幌 屋根の一部焼く


北海道新聞,2008年11月19日(水),日刊,31面
ポンチセ火災 「悲しくて涙」 建築のウタリ協札幌支部


札幌市内のアイヌ文化交流センター,サッポロピリカコタン(7月の先住民族サミット2008で,会場のひとつとなった)で,敷地内に復元されていた伝統家屋ポロチセから出火,「屋根の一部を焼いた」という.

18日の記事では,「害虫駆除のため,建物内のいろりでまきを燃やして」いたところから,この火が屋根に燃え移ったのではと.

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みんぱく研究フォーラム「無国籍者からみた世界-現代社会における国籍の再検討」

みんぱく研究フォーラム
無国籍者からみた世界-現代社会における国籍の再検討


大学の講義で,無国籍者についての話のとき,教授が「みんぱく」がどうこうと口にしていたので,検索したら出てきました.興味深くもあり事前に参加登録をして参加(見学)してきました.

みんぱくが東京でひらくフォーラムというと,年に何度か,日経新聞と協力するかたちで実施しているもの──同新聞社の本社ビル内のホールで実施──を思い浮かべていたのですが,今回はまったく具合がちがいました.

会場は国連大学本部ビル(青山学院向かい)の5階で,ホールの規模こそ小さいものの,同時通訳用機材と革張りの椅子など,会場に入った瞬間「来る場所まちがった…」な気分になる場所でした.それこそ普段は国際会議などに使用されているのでしょう.

司会の阿部浩己(神大法科)の「国籍問題──国際法 / 在留資格──(国内の)移民法」という整理のうちでは,どちらかというと後者の問題がよく話されていたように感じました.

法律上または事実上,「無国籍」となってしまうことは確かに大きな不利益をその個人に及ぼすのであるが──そしてそれらの事例とその背景にある問題というのは大変に興味深いものなのだが,しかしそれ以前にというかそれ以上にというか,特に日本においては行政窓口における制度の運用がまずいという指摘はなお興味深かったです.

これは山口元一(弁護士)が指摘したところで,さまざまなサービスの提供や,何らかの申請の場面で,法律上もしくは政府の決定上では必要とされていないような書類を求めるということがしばしば堂々と行われているということ,そもそも国籍を証明するためのものではない外国人登録証に記載された「国籍」を文字通りに「国籍」と見ることなど.

それにしてもパネラーの1人,ユージン・アクセノフ(インターナショナルクリニック院長)は,自身の受けた教育と医師という社会的・経済的ステータス,歴史的偶然(敗戦時は「日本人」以外それも多言語理解者が大変に優遇された)というまさしく幸運によって80年間無国籍生活を「楽観的」に送ってきたのだそうで──司会からも再三「〔会場内の〕マイノリティ」と呼ばれていましたが──ようするに「お金があれば何も困りません,私は困りませんでした」という以外なにも発話するつもりがなかったようでした.

そうした「個人の問題」,「能力の問題」──そこではしばしばその「幸運」がいかに社会的・歴史的なものであるかが忘れられるか過小評価される──として議論したところで何も得るものはないのですが.

そういうわけで個人の来歴とその当人の思想とか思考法というものとが如何に相互に結び付いたものであるかをしみじみ感じた次第.


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拡張機能Juice,やっと動くようになった

Juice──ウェブページの中のテキストを選択し,その場でドラッグ&ドロップするとブラウザウィンドウ右側にサイドバーが表示され,テキスト,画像,ヴィデオなどいろいろな検索を一挙に行ってくれる拡張機能──が使えるようになりました.

これまでインストールしても,上述のドラッグ&ドロップによる検索の機能が一切機能せず,完璧なやうなし状態だったのですが,先ごろバージョンが0.1.3になって,機能するようになりました.

動かなかった原因は不明です.他の拡張機能と衝突していたのか…

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2008年11月21日金曜日

テレビを見るということ

帰宅すると茶の間のテレビがついていて,オヤが他の作業をしながら見ていた.NHKの9時台のニュース番組.
例の厚生省高官の殺害事件の件を長々と取り扱っていた.

細切れの部分々々──事件現場の新証拠,捜査の進展状況,警察の発表の引用,犯行声明すら出ていないのに「これは大義名分に名を借りたその実殺人のための殺人だ」と断言する「作家」(だがそもそも一体如何なる資格があって彼は口出しするのか),犯行についての当たり障りない解説と「自宅というものは本質的に危ない」というかなり有り難い指摘を授けてくれる犯罪学者,厳戒態勢の厚労省前,「近所」ですらない「住人」の声(それも例のごとくただ一人の!),そしてまた「作家」….

あまりも馬鹿々々しい番組内容──もちろんそのうちでも一番なのはまったく独創的な仕方で犯人像を語って止まない「作家」だけれど,しかしこれら部分々々の寄せ集めであるこのニュース番組そのものがよほど低俗である.

内心がっかりさせられたのは,こうしたニュースに対して,そのニュースをまともに見てもいないオヤが,「うん,やっぱり,そうだとうな」とばかり半ば同意のことばを述べたことである.

こんな見るに堪えない番組を見ながら,同意不同意はともかくまっとうなコメントができるというのは,かなりトレーニングが必要なことではないかと思う.

不図,今日ではNHKの番組のうちで,安心して,無心で,嫌悪を感ぜずに見ていられるのは大相撲と今日の料理くらいのものではないかと考えてしまった.


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2008年11月20日木曜日

道新2008年11月15日──アイヌ民族の全国協議会設立へ

北海道新聞,2008年11月15日,日刊,2面
アイヌ民族の全国協設立へ 北海道ウタリ協会が決定


14日,北海道ウタリ協会理事会で,道内・関東の4団体に千島列島,サハリン出身のアイヌ民族を含め,「全国協議会」(仮称)を設立することを目指す旨決定したとのこと.

また先に報道されていた,千島列島出身のアイヌ民族でつくる団体は,北海道ウタリ協会とは別組織とすることに決まったとのこと.

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2008年11月16日日曜日

道新2008年11月13日──今年で3年目の市民劇「アイヌ逓送人吉良平治郎」

北海道新聞,2008年11月13日(木),日刊,28面
発信2008 共生への舞台 アイヌ逓送人吉良平治郎 上 広がる感動 遭難死の背景に迫る


2006年以来,釧路市,札幌市等で上演を重ねてきた市民劇「アイヌ逓送人吉良平治郎」が今年も,釧路,斜里,札幌で上演されるとの由.

アイヌ民族と和人「劇団員」との共同作業に,「和人とアイヌ民族の歩み寄」りを見る,という内容の記事.吉良平治郎(1886-1922)の略歴なども掲載されている.

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道新2008年11月12日──千島出身者の団体設立

北海道新聞,2008年11月12日(水),夕刊,1面
千島出身者の団体設立 ウタリ協会 生活支援の窓口化


ウタリ協会は,現在のロシア領および,いわゆる「北方領土」と日本政府が呼ぶ南千島地域出身のアイヌ民族団体を設立することを決定した由.

「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」の協議次第で,政府による先住民族の諸権利の回復,生活の支援などがおこなわれることが予想されているが,施策の対象に北海道以外にルーツを持つアイヌ民族が含まれるか不透明なため,とのこと.

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2008年11月15日土曜日

WIndows XP SP1...

何かの拍子に思いついて、研究室のPC上で稼働しているWindows XPをアップデートすることになったのだけれど、この過程でそのWindowsが2005年以来アップデートされていないことが分かった。

それもなんとWindwos XP SP1段階なのである。すでにSP3がリリースされている今日にあってこれである。ClamWinでウィルスサーチをすると、スパイウェアがいくつか見つかった。「いくつか…」で済んでいるのは、つまりこのPCがあくまでも「研究室の…」だからだろう。

もともとWindows XPのアップデートはMicrosoftのサーバーの問題か、プロセスがとても長い。結局数時間かけてSP2までアップデートし、IEは6から7へアップグレードした。(その後SP3にアップデートしようとしたが、なぜかその途中でWindowsが異常停止してしまった。)

アップデート・ファイルの中には、2004年付けのものもあるのだから、随分である。それにしてもなんでこんなPCが存在してしまうのか。このPCについていえば自動アップデート機能が解除されていた。2005年ころ、研究生のだれかが「Windowsのお節介」を断ってしまったらしい──もちろんそのような愚行こそ「お節介」、否「ご迷惑」なのだが。

とにかく遅いアップデートである。こんなに溜め込まれたら、堪ったものではない。こんなOSが稼働しているところにいつもUSBを差し込んで使用していたと思うと…。

年に数回ニュースになる、頑迷固陋なるWinnyユーザの引き起こす事件にはいつも呆れるばかりであるけれども、そういうニュースを見ている一般のひとのうちにも、相当数OSのアップデートをせずに、自身にとってばかりでなく他人にとってすらリスクとなっている人びとがいるのだろう。

2008年11月14日金曜日

PhotoshopCS3でエラー表示

PhotoshopCS3で,これまでのPC生活で一度も見たことのないエラーが表示された.

アラートのタイトルは,
Microsoft Visual C++ Runtime Library

いわく──,
Runtime Error!

Program: C:\Program Files\Adobe\Adobe Photoshop CS3\Photoshop.exe

This application has requested the Runtime to terminate it in an unusual way.
Please contact the application's support team for more information.



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2008年11月13日木曜日

プロファイルを複数作成することによる弊害

ここのところ大変困っていたことに,Thunderbirdで,メッセージ内のURLをクリックしても,エラーが発生してFirefoxが起動しないという問題がありました.

「Firefoxは起動していますが応答がありません」云々のメッセージで,Windowsの「既定のプログラム」での設定になにか問題が起きてしまったのだろうかとあれこれ考えていたのですが,原因はFirefoxのプロファイルにありました.

どうもプロファイルマネージャで普段使用していないプロファイルのほうが「既定」のものとして指定されていたらしく,ThunderbirdでURLをクリックすると,この「既定」のプロファイルのほうでFirefoxが起動しようとするために,現に稼働中のFirefox(のプロファイル)と衝突して,結局正常に動作しないのでした.

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『アイデンティティ/他者性』

例のごとく,衝動買いしてしまったアイデンティティ/他者性 (思考のフロンティア),おおまか読了.

この本,タイトルと内容が一致していない.否,すくなくとも「タイトルから一般に期待されるモノ」ではない.この本で取り扱われているのは,(そのタイトルにもかかわらず)いわゆる「自我アイデンティティ」の話ではない,と言っていいと思う.分析の対象となっている人物というのが特別な,悲惨な経験をくぐり抜けてきた人びとであるという意味ですぐれて特殊ケースであるし,そうした人びとのアイデンティティ,というよりはむしろ彼らの個人史と彼らの著述のスタイルの問題を扱っているという点でより総合的な分析である.

それはそれとして,また分析のあまりにも文学的(?)なところに辟易させられた.著者の深い(?)分析(?)について行けない.もちろん著者としては「当然のこと」を説明しているつもりなのかもしれないが….こういう文章を読める人というのは,たぶん,相応の文化資本の相続人なのではないかと思う.そういう意味で「他者性」というものを感じる一冊であった.
(※注: ぼくがそのような感じを受ける文書もしくは文書以外のものというのはおびただしく存在するので,別にこれはこの著書の特別であることを指摘しているのではない.)

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2008年11月9日日曜日

拡張機能Juiceが動作しない

Mozilla Re-Mix: キーワードを選択・入力するだけで様々な関連情報をリストアップしてくれるFirefoxアドオン「Juice」
「Juice」は、Webページ上の選択キーワードを元に、GoogleからのWeb・ニュース・イメージ・動画検索に加え、ブログ記事などからの関連する情報をも収集し、一つのサイドバーに集約して結果を表示してくれるというアドオンです。
という記事をみて,「うむ便利そうだ」と例のごとくさっそくインストールしてみたのですが,動作しません.ウェブページのテキストを選択して,ちょっとドラッグ&ドロップすればよいはずなのですが,そうしてみてもウンともスンとも言いません.

別の拡張機能かなにかがドラッグ・イベントをキャッチして何かしているのでしょうか…?

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2008年11月6日木曜日

アイヌ文化フェスティバル/東京国際フォーラム

11月1日,日曜日,アイヌ文化フェスティバル(東京)を見に行ってきた.
今年は,室蘭,和歌山,東京,白老で開催されるとのこと.東京会場は東京国際フォーラムであった.

1階受付の背後には展示コーナーがあり,マキリや盆(アイヌ語での呼び名を記憶し忘れた)などの木彫工芸のほか,おそらく大陸からサハリン経由でアイヌ民族の伝統社会にもたらされた玉の首飾りなど.アットゥシをはじめとして,刺しゅうや切り伏せ文様で飾った民族衣装も.

2階(踊り場)には工芸の実演,グッズ販売コーナー,関連団体の資料配付コーナー,啓発ビデオの上映コーナーなどがあった.

3階がホール(Cホール).

「フェスティバル」といっても客層をみると,みんぱくフォーラムとか歴博フォーラムとかに顔を出していそうな人たち──別に否定的な意味でいうのではないのだけれど,つまり高齢の方々が多い.

主催の(財)アイヌ文化振興・研究推進機構 理事長・谷本一之氏のごあいさつからはじまってウタリ協会理事長の加藤忠氏もお話.

その後の国立民族学博物館の佐々木和利氏の講演も,あきらかに近世史やアイヌ民族史についての事前の知識を要求している.「シャモ」,「蝦夷地」,「知行」,「石高制」,「久保寺」某,「場所」,「運上屋」….

(しかしながらまさに学問的に興味深い示唆も聞くことができた.江戸時代後期には「アイヌ」(もしくはアイノ)という呼称がアイヌ民族自身により,またアイヌ民族研究者ら──彼らの本当の関心は北方防衛であったが──によって用いられているが,しかし多くの和人は「蝦夷」という呼称を用い続けた.もちろんこの呼称は前近代における「文化」に基づくレイシズムを表すものであり,アイヌ民族は「禽獣」に違わぬものたちと規定されていた.けれどもこうして著しく見下されていたアイヌ民族であっても,しばしば和人側記録には,熱心に和語を学び手習いをするアイヌの少年たちが登場するという.佐々木氏お気に入りの当時の絵画を題材にしたプレゼンテーション.和人番人の目を盗み,父の目を盗み手習いを続けた者,クナシリ・メナシの蜂起の真実を伝えるため和語を学んだという者…江戸幕府による改俗強制政策のみに還元できない学習者たちの姿である.それは佐々木氏のいう「異文化に対するごく普通の,当たり前の関心」に基づくものでもあったろうし,支配者の言語や文字という資本の獲得という意味合いのものでもあったろう.何にしても一元化されない歴史,多様な存在を含み込んだ社会の記述に,ひとつの可能性を示すものであったと思う.)

その後,木幡サチ子氏のカムイユカラ.きれいな歌/物語であった.

休憩があり,ぼくはここで退席した.ほんとうはこの後,トンコリの演奏やあれこれがあって,すこし「フェスティバル」らしく(?)なったはずだけれど,都合があって….

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道新2008年11月1日──旭川市博物館がリニューアル

北海道新聞,2008年11月1日,夕刊,1面
アイヌ民族の展示一新 旭川市立博物館 交易盛んな暮らし紹介


11月1日,旭川市博物館が「『交易・生産の民としてのアイヌ民族の歴史』をテーマに関係展示を大幅に充実して一新し,リニューアルオープンした」.

「狩猟採集の自給自足でなく,交易を前提とした生活を伝える新展示」というところで,ピンときたのだけれど,記事によれば『アイヌの歴史―海と宝のノマド (講談社選書メチエ 401)』の著者である瀬川拓郎氏は同博物館の学芸員であるそうだ.「狩猟採集」,「格差のない社会」,「自然との共生」といったキーワードによって理想化された──あるいはそうしたキーワードをほとんど一身に背負わされた──アイヌ民族の歴史の通俗的でたいへん普及している理解にたいする挑戦である.

瀬川氏が指摘するのは,こうした一般にひろく流布した理解が,アイヌ民族の伝統社会のある一面を強調しすぎているという問題ではなく/それどころか,こうした理解が文字通り誤ったものなのではないか,ということである.すなわち環オホーツク社会や本州社会との接触のなかで,アイヌ社会は(氏が「アイヌ・エコシステム」と呼ぶ)交易産品の生産に社会生活の重点を置くものとして成立してきたのではないか,と.


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道新2008年11月4日──アイヌ刺しゅうのテキスト刊行

北海道新聞,2008年11月4日(火),日刊,16面
気軽にアイヌ刺しゅうを 札幌の津田学芸員 テキスト作製 伝統技法を図解


テキストは道立アイヌ総合センター(札幌,かでる2・7)の津田学芸員の手になるもの.
「アイヌの衣服や文様紹介のあと,基本的な針の運び方を図解.ついで手本通りに試作品を完成させるコーナーを設け,最後は『マタンプシ』〔鉢巻き〕を作る」の項に七通りの図案を掲載した.〔…〕技法別に三部に分けて本を出す構想」とのこと.


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道新2008年10月26日──旭川の「ユクオプニカ」の儀式

北海道新聞,2008年10月26日(日),日刊,1面
シカノ魂 神の国へ 旭川


10月25日は,エゾシカ猟解禁の日であったという.
これにあわせて,「仕留めたエゾシカの魂を神々の国に送るアイヌ民族の儀式『ユクオプニカ』が…カムイの杜公園のササぶきのチセ(家)で始まった」.

(よくアイヌ民族の精神文化のひとつにアニミズムがあり,アニミズムは万物に神が宿るとする信仰・世界観である,というような説明がなされる.そもそもカムイをすなわち神として良いのかよくわからないが,それはともかく実際には,「万物に」というのは明らかにオーバーで,「神」格を認められていないモノは彼らの伝統社会においてもしばしば身近に見いだされるようである.鹿もそうであるが,サケも──近世のアイヌ民族社会の表象とまことに深い関係にある──カムイとは見なされていなかったようである.「エゾシカの魂を神々の国に送る」というのはしたがって「クマをカムイモシリに送る」というのとはおそらくまったく意味が違う.)

「この儀式はあまり知られていないが,江戸時代の絵に描かれており,同支部〔ウタリ協会上川支部〕はアイヌ文化研究者らの助言を得ながら進めた」との由.

(「知られていない」というのはおそらくウタリ協会──そしてとくにこの儀式をこのたび執り行った人びとには,ということなのであろうけれど,判然としない.文化の再創造の事例か.)


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道新2008年10月24日──刺しゅう教室展

北海道新聞,2008年10月24日,日刊,28面
一針にアイヌ民族の技 刺しゅう教室展


10月23日から,23アイヌ文化の伝承にとりくむ市民グループ「ヤイユーカラの森」の刺しゅう教室の,受講生の作品展が札幌で始まったとの由(28日まで).

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道新2008年10月24日──刺しゅう教室展

北海道新聞,2008年10月24日,日刊,28面
一針にアイヌ民族の技 刺しゅう教室展


10月23日から,23アイヌ文化の伝承にとりくむ市民グループ「ヤイユーカラの森」の刺しゅう教室の,受講生の作品展が札幌で始まったとの由(28日まで).

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