2008年12月29日月曜日

「予言者」──つまり当世のご用政治学者・ハンチントンが死んだ

「文明の衝突」のS・ハンチントン氏が死去 | ワールド | Reuters
米ハーバード大学は、著書「文明の衝突」で西側諸国とイスラム世界との対立を予見した政治学者のサミュエル・ハンチントン氏が24日、マサチューセッツ州の介護施設で死去したと発表した。81歳だった。

世界を戯画化し、ベタ塗りの色分けで理解しようという試み、そしてそうした「理解」を相対化できない稚拙な「科学」。

そうして今日の世界情勢を目の当たりにしながら、「西側諸国とイスラム世界との対立を予見した」などと「賛辞」を贈ることに躊躇のないロイターは、三流ジャーナリズム以下である。ようするに彼らは世界を見ずに「世界」を報じているわけである。

ふつうにニュースを見ていれば/読んでいれば、そこにある「世界」で起きていることは、「文明の衝突」などというスペクタクルではなく、小型大型を問わない武器の拡散と、国家による露骨な国際法違反と国際社会の沈黙、そして市民レベルではどうしようもなく短絡的な排外主義、そしてそれを支持基盤としようとする集団の台頭──こういった例のごとく人をして失意させたり憤慨させたりする事実の集まりでしかない。

結局のところ、ハンチントンが「政治学者」でありうるのは、彼がそのどうしようもなく単純化された「予言」によって
マスメディアやデマゴーグたちに奉仕したということ、その事実において限りのことであろう。

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