2008/7/30日刊11面 - 「燃料サーチャージ トラック業者12% 全国調査」
燃料価格の高騰にも関わらず,価格高騰分を運賃に反映させる「燃料サーチャージ制」を導入しているトラック運送業者は,全国で12%,そのうちでもすべての荷主に対して同制度を導入できているのは1.4%.
同制度以外の方法も含め,何らかの形で価格高騰分を運賃に転嫁しているのは55.9%にとどまり,しかもその半数はやはり一部の荷主が対象.
農業,畜産業,漁業の問題でもそうだけれども,原料費やこれに似たどうにも節約しようのない出費を,商品・サービスの価格に反映できない状況・社会構造はあまりに不条理.
2008/7/29夕刊5面 - 「私のなかの歴史 民族の誇りを胸に② 北海道ウタリ協会理事長 加藤忠さん コタン 食卓に母手製 伝統料理」
「私のなかの歴史」の加藤忠氏の連載(~8月12日夕刊まで).
記事のタイトルにもかかわらず,まず興味深いのは,加藤氏が生まれた当時──加藤氏が生まれたのは1939年──の「敷生コタン」(白老町萩野)の生家と,その周囲の情景についての記述.
「コタンには伝統家屋のかやぶきのチセが多く残る時代でしたが,私がものごころつくころには〔加藤家は〕木造の家で暮らしていました」というところ(〔〕は引用者が挿入).
また,母親はアイヌ語・アイヌ歌謡はしなかったが,「オハウ」を作ってくれたし,「年末に塩と酒で大地を清める伝統行事『イチャルパ』だけは続けていました」と.
文化というものは案外粘り強く残るものである.
チセの建築については大阪のみんぱくで見たビデオの,いかにも復元の努力をしている,という風の印象(すくなくとも記憶の上ではそのような印象)が強いが,これは捉え直しが必要かな.
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