北海道新聞,2008年10月16日(木),日刊,32面
アイヌ有識者懇 道内視察終了 生活支援は慎重姿勢
有識者懇は3日目で現地視察を完了したとの由.いかにも短い視察である.
文化伝承に国有林を利用することについては「短期的に解決できるとの見解を示した」が,生活支援については──同紙は「慎重」といふ表現をしているが,「具体的にどういう法律をつくるべきかは任務ではない」(佐藤座長)という発言──「現地視察」を済ませておきながら!──からは,もっと消極的な姿勢であることがわかる.
既報の国立の研究機関の設置の要望についても,「財政的にも厳しいため,何が可能かはこれから考えたい」とのこと.アイヌ文化──だけにとどまらずこの列島に存在した多種多様の精神的な資源──をことごとくに挽き潰しながら「開拓」と「近代化」を実行した末に今日の「日本」があるというのに,「財政的」もなにもないではないか,と思われる.
何よりも「先住民族の権利宣言」を理解しているのだろうか?
同
文化伝承に危機感 進む高齢化 人材育成を熱望
アイヌ文化振興・研究推進機構の調査によれば,現在,白老,旭川,平取など「道内七地域の文化伝承者は計四百五十六人.このうち六十歳以上が65%を占め,四十歳未満はわずか十七人」.
「民族文化を継承できる教育機関」,「アイヌ民族学校」の設立の要望,また「文化」の保存は「国の責任」で取り組むべき,とする言葉が掲載されている.
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